超音波ガイド下神経根ブロック

2017.02.14[カテゴリー:

 脊柱を構成している骨である椎体と椎体の間に神経の通り道(椎間孔)があります。
椎間孔を通って脊柱管外に出た脊髄神経の部分を神経根と呼びます。この神経根とその周囲に局所麻酔薬を注入するブロックを神経根ブロックといいます。
 頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症がなど神経根障害を引き起こす疾患が適応となります。頚部神経根は左右8本ずつあり、どの神経根が障害を受けているかを症状の部位や神経学的な所見から推定し、選択的に障害神経根をブロックします。治療のみならず効果を判定することになり障害高位の診断にも有用でピンポイントで悪い部位をねらうため保存療法では最強のブロックともいわれていたりします。
これまではレントゲン透視下に行われてきましたが、透視下では神経根そのものはみえないため神経根に針を刺して患者さんの放散痛を得る必要があります。すなわち、患者さんや施行者の放射線被爆の問題だけではなく、神経損傷、根動脈への誤注入といった重篤な合併症の可能性があります。

 超音波ガイド下での神経根ブロックは、直接神経根を確認することで、神経損傷をはじめとしたさまざまな合併症を回避できる可能性があります。
当院でも頚部の神経根ブロックを超音波ガイド下に行っています。従来の透視下ブロックに比べ、神経根造影像の画像診断としては物足りないですが圧倒的に患者さんの痛みがありません。

C6静止画注釈

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